詩人:どるとる
自分のペースで構わないから
自分のペースで歩いてごらんよ
周りが何を言ったってそれは外野のペースさ
世の中のペースなんかに流されてしまっては悲しい人間になるだけだ
だったら自分のペースでゆっくりのんびり生きたほうがいいだろう
人生というものを野球にたとえたとき僕は球拾い少年になろう
望んでまでピッチャーやバッターになることはないんだよ
とんできた球をただとるだけの球拾いも楽でいいだろう
突然の出来事みたいな球がとんでこなければほらねあとは自分のペースで走ることも急ぐこともなくひとつひとつできるね
だから僕は球拾いでいいんだ
誰かがはずした球を拾う球拾いでいい
噛みしめ足りない
味の残ったガムを根気よく最後の最後まで味わえるのは
球拾いの僕だけだ
ほら 誰かが急いで手にしたミスを僕なら難なくマイペースで飛び越えられる
球拾い少年は今日も夕暮れの下でチンケな草野球
もちろん
一日中球拾い
自分のペースで
めったにとんでこない球を待つだけの球拾い
気楽なもんだよ
幸せなもんだよ
急いでる誰かが
馬鹿らしい
焦ってる誰かが
阿保らしい。