詩人:けむり
心の平穏
静かな日々
それよりなにを望むのさ
走る 走る
力いっぱい
なにもかも置き去りにするスピードで
きたない大人のように逃げて
ポケットをからっぽにする
ふわりと透明になって
急に怖くなる
振り返って
散らかしたものを拾い集めてみたり
いつもさけんでいる
理解してほしいというたぐいのことを
だけど矛盾なんだ
見つめられると逃げ出したくなる
好きだと言われて怖くなる
いっそなにもいらないと思う
だけどひとりはいやなんだ
二人になると窮屈なのに
ひとりはさびしい
雲のすきまに弦月を探す
煙草で雲を厚くしながら
一方で
明日の朝が晴れていたら
ジョギングしようと考えている