詩人:bee
早送りで流れる雲
手で追いかけては離される
世界は回り
止まることはないから
欲しかった言葉はもう
誰かのものに
さっき見た雲はもう
何処にもない
世界は回る
見た景色はすぐ消えるから
疲れきった手を下げたとき
もう雲すらいなくなって
空で星が泳ぐだけ
冷えきった体を震わせたって
誰も暖めてくれない
世界で独り
宇宙の下で受け入れた
あの日から
何億光年世界が生きて
僕はいくつ日を重ねたの
いつか
大切だったあの木も
枯れ果てて土に還っていく
僕が生まれた瞬間にも
誰かが生まれて
誰かが死んで行った
言葉で言い表せないなら
目を閉じて
いつか見たあの雲も
いつかこの空に帰ってくる
長い旅を終えて
また長い旅へ
誰だって
世界で独り
小さな存在
静かな空間
無限のループで
世界は回る
気付かなくても今もきっと