詩人:さみだれ
誰かがコーヒーを落とした
それがすべての始まり
新聞に書かれた世論は
魂をもって動き出す
紳士のハットが宙に舞えば
太陽は思い出したかのように燃え始める
バーで気の沈んだ恋人は
恋人によって連れ出された
二人のために月は輝き
熱くなりすぎた気持ちを冷ましてくれる
猫がバランスを崩し転んだなら
愛は人々の心に知れ渡るだろう
それが愛だと少女は言った
わずか十歳未満の少女により
草花は歌を思いだし
鳥たちにすべての歌を与えたのだ
郵便配達人が望んだ幸せは
とても小さな一つのことで
誰もが笑い転げる中
星はそれを素敵だと言う
時計塔で待つ彼女に贈った
精一杯の光はそう誰のものでもなく
世界の始まりは些細なこと
あなたが望もうと望まなくとも
世界の始まりは始まるのだ
あなたが選ぼうと選ばなくとも