詩人:さみだれ
神様はいた
不安定な乳母車の中に
ペットボトルで作られたガラガラを持って
神様は満足そうに笑っておられる
君はホームセンターで
よく切れるものを探して
貧乏ゆすりをしていた
30分後
この世界から神様はいなくなった
そしてそんな世界を
僕はなんとなく楽しみにしていたのかもしれない
ねえ
何を望んでいたの
望んでもいなかった世界で
ねえ
何が叶えられたの
敵いっこない世界で
神様はいない
土手の川岸で
ペットボトルが浮いたり沈んだりしているのを
君は
一時間ほど眺めていた
レジ袋を片手にじっと
僕は知らないふりをしていたんだ
こんな世界を見て見ぬふりをして
望んでいるよ
君の幸せを