詩人:千波 一也
昨日のために
誓いをたてよう
むかしはどこだ、と
きみが寂しく迷うとき
ここだ、とぼくは
立っていよう
延長線というものに
なじみきれない若さとは
なによりもかなしくて
なによりも
美しい、
ぼくは
そんな気がする
そういう意味において
傷つくすべてを、
ぼくは嫌わない
その逆は
嫌いだけれど
昨日のために
しるしていよう
影も
疑いも
わずらわしさも
正解だった、と
守っていよう
ちいさな声
でも
いくらでもある道に
敢えて背かずには
いられないから
たやすく選ぼう
むずかしい揺られ方を
昨日のために
ぼくたちは