詩人:快感じゃがー
やっつけで どうにか
昼も のたうち回って
やっと暮れて 何とか
模索 し始めた頃
憂鬱が 道を 訊ねてきた
泣きそうな声 で
出口が解らない って
昨日も確か そんなこと
言ってた癖に
進歩のない彼は
自分で
立ち上がること すら
しなくなって
仕舞いには
独り 部屋の隅で
丸くなってた
僕は
追い返すのも 疲れて
酷く 目眩がして
もう眠ろうと
カーテンに手を掛けたら
そこで いきなり
焦燥 が顔を出したんだ
質の悪い 奴は
そこいらじゅうで
暴れて 叫んで
喚きまくって
引き金を引け とか囁いてる
こういうときは
無視するのが 手っ取り早い
もうとっとと寝よう って
ベッドにダイブした
そしたら
今度は 感傷と陶酔
仲よく 手繋いだまま
向こうから
僕の名を呼ぶ
二人は 気づけば
いつも一緒に 居て
やたらと 馴れ馴れしく
僕を 励ましたりも して
だけど 突然
途轍もない裏切り を
くれたりする
一番 手強くて
やっかいな相手だ
耳まで塞いで
捕らわれないように って
神頼み も含めて
ちょっと 重症
後は 右往左往
祈りなんて
最早
「一種の通過儀礼
みたいなもんさ」
少し 気を抜いて
緩んだ
ほんの一瞬
なんだ、あれは
得体の知れない
大きな 黒い竜巻
いきなり
部屋ごと巻き込んだ
呑み込まれそうに なって
這いずって
生命力 とかいう
最終形態で以って
飛び出したら
なんて 恐ろしい顔だ!
その化け物は
トラウマだ って
名乗ったんだよ