詩人:まとりょ〜鹿
春になり
芽吹く木々たちを
もう誰も見上げてはくれない。
日に日に
大きく育つのは
この小さき木々の土地を囲む
鉄筋コンクリートの冷たい壁。
皆、ここから
私たちを見下ろし
風流だと云う。
そんな言葉
嬉しくも暖かくもない。
もっとみんなに見て欲しかったのは
ご自慢の
赤い木製のブランコに
人々が寄り添う事が出来る小さな白いベンチ
真ん中にあった大きな砂場と滑り台。
子供達の笑い声とお日さま。
月明かりと寄り添う二人。
これらは
もう居ない。
人々が集まってくれるためには
私の大切なモノは失われてしまう。
本当に私達は
邪魔なだけの土地だったのかしら。