詩人:さみだれ
星をなぞる小さな指先
赤いニット帽が目を隠してしまう
それでも嬉しそうに笑うばかりで
直さずにくるくる回りだして
どんな風に見えているのだろう
君にしか見えない世界は
寒さに震える彼の手紙
赤いポストの前で動けずにいた
羽が生えて勝手に飛んでいけばいいのに
そう思う心が楽しそうで
どんな風に見えているのだろう
君にしか届かない世界は
ひとりぼっち夜道を漂いながら
色のない僕を街灯が照らす
ひとりぼっち今日が終わらないのは
きっと僕が笑ってないから
誰かを待っている小さな影
青いベンチに座って泣いている
その涙の色はなんだったっけ
僕にも流せるものなんだっけ
そんな風に思えるだろうか
君にしか見えない世界は
どんな風に見えているのだろう
僕にしか映せない世界は
ひとりぼっち今日が終わらないのは
きっと君と笑ってないから
白い指で星のような涙を掬う
どんな風に見せようか
この世界を