詩人:老女と口紅。
今は春先き生命の誕生の力強さと 明るい未来の夢を見る木々が緑色を身にまといそよ風と話込んでいる雪溶け水が山にサヨナラを言い 大河をめざして先を急ぐ生きるもの 生きてゆけるもの達の眠りが覚めてゆく人々もまた静けさの中から 希望と欲望を掴みに動き出す皆 生きて行く為の前進の時の中で小さくなった背中が 抜け落ちた髪をじっと見つめる母親だけが老いてゆくのだろうか‥