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[193385] 雨宿り

詩人:高級スプーンあと何年

通り雨のように
目の奥を過ぎ去って
脳裏から消えた言葉
追いかけても
もう思い出せない
それなら、と
気持ちを切り替えて
次の言葉が降ってくるのを
待つしかないのか

もう少しだけ
考えさせてほしい


はじまりの日が雨だったのか
それすらも曖昧だ
快晴だった気もするし
どしゃ降りだった気もする
覚えていないけれど
まるで
おわりの日でもやって来たかのような
曇った顔をしていたんだろう

今にも降り出しそうな空
大粒小粒
ひとつひとつの雨粒が
地面に落ちた数だけ
人の命が消えていくとしたら?
雨に打たれ
流れた血に濡れて
冷えきってしまった地面のように
寒いのは心か

次の日
雨は止み
雲間から光が見えて
希望か何かの
虹が掛かっても
命を失った人々の目には映らない
なんて妄想か

本当に降ったのかどうかも
定かでない雨は
とっくに止んでいる
あさっての方向には
光が射していて
希望の虹が出ているんだ
その一歩を踏み出すには
もってこいの今日
お前は何を考えているんだよ

横殴りの言葉は
誰かの心を深く傷つけたのか
篠突く言葉は
誰かの心に鋭く刺さったのか
攻撃的で
ひどい言葉だ
下手糞で
ひどい言葉だ
箸にも棒にも掛からない
おまけに
傘も持たないで
飛び出していった彼らの
雨曝しの彼らの背を見て
何もすることが出来ず
ただ指を咥えて
来るはずのない明日を待って
雨宿りを続けている

もう少しだけ
もう少しだけ

「もう少しだけ」は
一生しか続かないのに
雨に打たれる前に命を落とすのか
ひどい話だ

元々
何処にも救いはないけれど
何処にも逃げ場はないけれど
躊躇いながら
書き殴る言葉
着地点はなくとも
ゴールはすぐ其処で
来るはずのない明日もまた
同じように
待ち続けているのだとしたら

そんな都合良くは



また降り出した雨
振り出しに戻るように
思い出して
続きを書き出した
それは
とてもじゃないが
人には言えない
ひどいものだった










2017/03/27 (Mon)
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