詩人:くじら
たどり着いた夕闇の中で
幼い木々がシルエットを揺らす
まだ帰らぬ青い鳥に
ほんの一握りの小さな夢を語る
届くならば
聞こえるならば
まだ君は生きている
涙が月を濡らして
ぼやけた表情見せたっけ
昨日の喧騒を忘れた
漂う静寂の交差点
信号機はひたむきに
僕らを正しい道へと
誰も見ていないから
ここでキスしよう
忘れられない苦い愛
甘い唇を求めて繋がる
ただひとつの正解は
僕もまだ生きていること
今僕が立っているこの場所は
安心は手に入れたけど
望んだ通りの景色かな?
躓かないように
歩いてきたつもりだけど
何度も転んで同じとこ擦りむく
そろそろ痛みにも慣れた
我慢して笑うことも増えた
それでいいのかな?
目を閉じてここを渡ろう
答えが変わるかもしれないから
信号が変わる前に
空の色が変わる前に
一瞬の幸せを掴むため
僕らは病む暇もなく
ただ走り続ける
高温で抜けるハイウェイ
手に入れたものは
すぐに色褪せるから
また次を探し求める
大切にしなきゃいけない
あの時知った温もりも
いつの間にか冷めてしまった
空腹を涙で満たす
曇り 時々 深呼吸
雨 のち 虹
両手の指で輪を作って
覗き込んだ未来に
答えが浮かんで見えたけど
両手が塞がって
触れられないもどかしさ
息を吹き掛けて掻き消した
何回目のfinal answer?
また答えは見つかる
まだ答えは見つかる
まだまだこれから
そんなこと考えながら
僕は煙草に火をつけた
気が済んだ青い鳥は
僕の夢を手みやげに
シルエットの向こうに
帰っていった