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[185535] 永遠の夏

詩人:清彦

玄関の鍵を閉めた途端に

部屋の湿度は一瞬

あの頃を映してしまって

何もわかっていなかったあの頃を

悔しくも愛しく思い出すのです


夏の蜃気楼はさよならを

幻だったみたいに全部うやむやに

歩道に沿って進む足を止められないで

ただ 景色を見送っていた


もう

これだから 夏は嫌いで

汗ばむ額を袖で拭いながら

空をまた何度だって見上げるのです


雲はどこまでだって流れていって

自由とは何かを思わせてくれます


ねえ

愛しいひと

覚えていますか?


あの耐えがたいほど退屈だった夏を

もう

随分 時間は

容赦なく全てを飲み込んでしまっても

いつまでも いつまでも

終わらない夏の日

あなたと

永遠を過ごして


2014/07/14 (Mon)
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