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詩人:どるとる
大きな海の中
泳ぐ魚のように
たとえば世の中を上手に泳ぎたいだなんて思わないから
果てしない空を
自由に飛んでいる
渡り鳥のように群れをなしたいなんてこれっぽっちも思ってないから
僕は淋しくなんかないから
孤独を言い訳に
死ぬのなんて嫌さ
僕はどんなに暗闇に紛れ込んでも
隠せない 涙
自分でもわかってる
上から下まで 淋しさでいっぱいの僕なのに
ひとり教室の隅っこで今にも雨が降ってきそうな空を眺めているような気分
誰とも目を合わせたくはなくてさ なんとなくだけれど わざとどうでもいいあさっての方を見ているよ
直立不動の僕って棒人間は 今日もてくてく歩く、行く宛てもなく
鳥のように飛べるわけでも
魚のように深く深く潜れるわけでもないけど
ただひとつだけ
自分を愛せる
それだけが唯一の誇りなんだよ
そんな気持ちを君は貶し笑うのだろうか
慰め励ますのだろうか
そんなこと本当はどうでもよくてただ僕は今を生きることだけで精一杯でしかたなくて
ほかの人が群をなしてそれぞれ素晴らしい未来へ向かう中
ひとり 僕だけが
孤独から 巣立てぬまま 巣にとどまって
夢も理想も憧れもなく 何も描(か)かれてないボロボロで真っ白な地図を片手に握りしめ 俯いてる
ずっと先の未来を見据えつつ今を生きるって 話しながらほかのことやるのみたいに難しいことさ
それをなぜ皆 器用にこなすの?こなせるの?
なぜか僕だけ月明かりに避けられてる気がする そんな暗闇の中で悲観的になって
それでも自分を愛すことだけはやめられず いつも僕を助けるのは僕で
直立不動の僕って棒人間は 今日もあくせく生きる、頼りの綱もなく
鳥のように飛べるわけでも
魚のように深く深く潜れるわけでもないけど
ただひとつだけ
自分を愛せる
それだけが唯一の誇りなんだよ
今、はじめて僕から僕へ唄う。