詩人:千波 一也
空の高さに
かなうはずもないぼくは
ちいさな背中を
恥じらって
その、
重みに沈みこむ
けれど、きみは
願いごとを
ていねいに隠してみせるから
ぼくは
やさしく
負けることができる
遠くばかりを
見つめていた、と
きみの描く未来には
なにがあるべきだろうか
ぼくの知りうることは
なにもわからない、ということと
それを見つめるいまが
いつかの昔の未来だった、
ということ
ねえ、
空の向こうにはきっと
きみの名前がいくつもあるよ
ぼくは
それを確かめたくて
ときどきそっと
嘘になる
きみをのせて
どこまでも落ちてみせようか、
弱さが
ひとつの
ちからなら