ホーム > 詩人の部屋 > 千波 一也の部屋 > 微炭酸 > 投票

千波 一也の部屋  〜 「微炭酸」への投 票 〜

  • 千波 一也さんの「微炭酸」に投票します。
  • 不正防止のため投票は「詩人の部屋」の登録者のみに制限させて頂いています。
  • ユーザーIDとパスワードを入力して「投票する」をクリックしてください。

[130342] 微炭酸

詩人:千波 一也


そっと

腰を下ろし

いつものひとりに戻るとき

うるおいじみた

乾きがあふれ


ぼくは

あわてて

目をとじた



思い出はいつも

胸に痛い


握れるものの少なさが

はっきりわかって

しまうから




 ぼくらの言葉は

 気泡のようで

 海の

 世界の

 生きものみたいだ



 夏の季節を

 離れられずに

 けれどもそこを

 うまくは

 泳げず




淋しさを

かくまうことで

なお募りゆく淋しさに

しずかなほのおを

ぼくは見た


いともたやすく消えてしまう

おだやかな火を

ぼくは見た




ときを飲みこむ

水の気配に


ちいさく胸を

ふるわせて

2008/08/09 (Sat)
ユーザーID パスワード
一言コメント  


- 詩人の部屋 -