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詩人:どるとる
生きているから
悲しくなる
生きているから
死にたくもなる
生きているから
投げ出したくなるんだ全て
正しいことを冒したくなる
まっすぐなものを曲げたくなる
だって それは それは
生きているから
そうだろう?
生きているから
負わざるを負えない傷
生きているから
抱えざるを負えない痛み
生きているから
捨てざるを負えない命
ああ 僕は 正しいことだけを
そう 僕は 守って生きていたくない
僕を生み出した
この世界に描いた人
誰かは知らないが
神という名前で呼ばれてるその人の顔を死ぬ前に見たいもんだ
生きているから
直に伝わってしまう
甘えのない 現実
全て 雑音に置き換えてみても 逃げられないものがある
生きているから?
違う 生まれてしまったから
だけれどもう生まれてしまったからには生きていくしかない
あとは 死ぬのをひっそり待つだけだ
カーテンを隙間なく閉じて
生きていくのに
愛や
生きていくのに
夢や
必要ないさ
僕には
生まれてしまったこの偶然か運命かわからないものに何かすがってるようで嫌なのさ
生きているから
全てが幻に見える
生きているから
全てが夢に思える
嘘なものか
生きているから
そうなるんだ…
今にも雲に隠れそうな月を見上げたその瞬間の思いをファインダーからのぞき込んで 未来から 過去を
生きているから
今が昨日より
自分が 醜く見えるよ
誰がなんて言ったってこの気持ちは変えやしないんだ
嫌われたっていいんだ
生きているから
感情は生まれる
だから 邪悪にだってなる
それを 抑える 正しさなど持ち合わせてない僕だ
生きているから?
違う 生まれてしまったから
だけれどもう生まれてしまったからには生きていくしかない
カーテンを閉めようとしたその手はふるえてる
だけど僕が存在できる場所はこの場所だけ。