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詩人:甘味亭 真朱麻呂
『迷路』
深い悲しみ抱え込む度
僕は決まっていつも
心の中の迷路に迷い込む
その迷路は
何処までも道が続いており
幾つも幾つも洞穴があって
まるで蟻塚のように連なって存在している
だけど
道はたくさん在るにも関わらず
僕が選ぶ道はいつも一つ
それは一番
楽な道で
逃げ道という道だ
僕はいつも
目の前の現実から
逃げてばかりいる
いつだって
都合の良い楽な道ばかりを選ぶ
そうやって
今まで何度
出来たかも知れない可能性を無駄にしてきただろう
そして
僕はあなたにさえ
見放され
まるで暗闇に置き去りにされたように
独りポツンと迷路の前に立つ
そして
逃げてばかりじゃダメなんだとやっと気づくことだろう
それで
初めて
僕は逃げ出すことを止め
可能性に賭けてみることにした
時間はかかっても
今までの遅れ取り戻すために
僕は迷わず歩き出す
たとえ
その先にあるのが
絶望だとしても
僕は揺るがない想いを胸に歩き出す。