詩人:千波 一也
ときの
残り火を
消すように
ゆっくり
無言は敷き詰められます
夜の鏡を
おそれた時代が
あったはずですね、
なにも語らない目も
十分に言葉でありますので
思い出してみませんか、
魔法を
魔法をためしてみせた日の、
うたがいをはらいのける
その魔法を
言葉なきものが
うまれた理由を知っていますか
耳を澄ませば
降り積もります、
ひとびとの
手に
おぼえていますか
ねむりはじめた窓のそと、
記憶をむかえに
参りましょう
砂漠を
つかのま
うるおしてゆく
無限の隅の
花として
2008/08/10 (Sun)