詩人:千波 一也
灯台は海をさがしているそれゆえずっと船にすくいの手をのべる灯台は自らの眼をながらく持たないおのれを見つめるものたちのことばの向こうをただ聴いている海は遠くで海を呼ぶその容易ならないかなしみがいつしか岸辺をなしてゆく灯台はそういうところにたっている船はひとつの大きな海をなすちいさな無限に砕かれながら海をなす灯台は海をさがしているそれゆえ船は終わらない海がことばを止めないかぎり