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詩人:高級スプーンあと何年
手を伸ばしても
根底までは届かない
流されていても
進んではいる
生きている間に
辿り着けない未来と同じく
生きてきた足跡も
始めの方は見えなくなった
後戻りも出来ないし
軌道修正しようが
思い描いた場所には
届きそうにないほど
道を外れてここにいる
すべて諦めてしまおうか
それがいい
それが幸せ
言い聞かせても
言うことを聞かない
手のかかる子どもがいる
お前はいつまで
ガキなんだ
大人になれよと
諭そうとする
俺は大人か
終わりが来る前に
区切りをつける
そうやって
いつも未完成のまま
夜な夜な世に出す
それがこれ