詩人:どるとる
悲しいことがある
嬉しいこともある
そんなごく当たり前な世界の夜に
僕は思ったのさ
君を思ったのさ
夕闇に溶け込んでしまうほどの小さな小さな僕らはふたりで固まって手を握りあっていた
たとえばこんな当たり前な夜でも君がいるだけでそれは夢のようなことなんだよ
君といることが
君といられることが
僕の中でだんだんと愛おしくなってゆく
はじめて出会ったあの日よりもずっとずっと僕は君を愛している 昨日よりも今日のほうが愛しさは増しているよ
今日もまた 君の笑顔と優しさがたしかな温度になって僕を照らしてくれる
そんな君の名は
君の名前は
僕の僕だけの彼女
何があっても世界一 大切な人さ
言葉じゃ説明できないくらい 素晴らしい人さ
明日も明後日も一緒にいたいな
ふいに重なる ねえ?の疑問符
いいよ、先にって いつもふたりは 遠慮がちに譲りたがる
そんな内気で奥手の僕らに おとずれる未来がどんなものでもふたり一緒なら
きっと幸せになれる
そう思うのは
君がくれる笑顔がそう思わさせてくれるから
今 まさに 沈みゆく夕日が 夜を口笛のようなチャイムで呼んで 月がしばらくすれば輝き出す
そして僕らは同じ巣へと手をつないで前後に揺らして 帰るのさ
夜の灯りたちに見守られながら
べつに 用事なんてなかった
ただ 会いたかっただけ
会う口実つくるためならなんだっていい
僕らはいつも勝手だから勝手に恋するのさ
そして勝手に愛し合うのさ
ふたりの世界が時の経過とともにほつれてゆく中でやがてほつれきるまでは
何度でも何度でも呼ばさせてもらうのさ君の名を
そして呼んでほしいよ僕の名も
せーのでなんかで言ってみたりしてまるで恋人同士
いや 違うな 本当の恋人同士だ
そんな君の名は
君の名前は
僕の僕だけの彼女
一生かけて愛したい人
全てをかけて守りたい人。