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詩人:高級スプーンあと何年
延々と虐待の
動画を見せられているような
むごたらしい生だ
虐殺よりマシか?
測れるものか
剥ぎ取られたまぶた
避けて通れず
朝まで眠れず
眠りは浅く
起きても死体のよう
誰が何の為に?
創造も終末もない
想像上の死と引き換えに
誰の何の為でもない生を受け
虚しいけれど
否定的でも止まない声
うるさい
うるさい
うるさい
楽にさせてくれよ
なら
その血塗れの手はなんだ?
爪は剥がれ
真っ赤に染まる指
それでも
無い爪を立てて
もがいている
お前が私がお前が私
本当は苦しむのが好きなんだろう?
うるさい
だまれ
もうしゃべるな!
気が狂うまで
対話に苦しみ
痛み気が滅入り
それでも
誰でもない
虚構の屍を越えていく
死ぬまで苦しめ
苦しむのが生だ
止まない声はない
「私は死ぬから」
(お前は死ぬから)