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詩人:綾
誰かが読んで売った本が
今日から私の本になった
私の知らない誰かは
何を思っているんだろう
何か思っているんだろう
すれ違うこともなく
泣いてるかもわからないけど
みんなどこかで暮らしている
青い空はページを捲るように
夕焼け色に染まっていった
また同じ唄を口ずさんでみる
またこの道で君を思っている
好きになって次第に馴染んで
いつか懐かしんでいくことに
気付いている僕らなんだ
忘れたくないことに付箋して
読みかけの本には栞を挟んで
いつも見てる空だけどきれいで
閉じていく今日を見送った
スプーンで掬えるくらいの
私の知ってる小さな世界で
色んな明日を考えてみるよ