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詩人:千波 一也
もしも
花弁が落ちたなら
終わりましょう、
きょうを
あしたを向いて
もしも吐息を
こおらせたなら
呼び直しましょう、
水の微熱を
いのちの名前を
もしも
願いを叶えたのなら
捨て置きましょう、
ちいさな痛みは
無数をひとつに
かえすため
もしも
ほのおに包まれたなら
夢の時刻はおしまい、です
星の列車を
仰ぎましょう
もしも孤独が
咲いたなら
はじめましょう、あしたを
かなしみの途中
やさしさの
向こうで
もしも、
もしもがほんとうならば
その為にだけ贈りましょう、
この歌を
にせものかも知れなくても
寄り添いましょう、
この歌は