詩人:千波 一也
降りはじめた
雨に
傘をさすことにも
傘をささないことにも
正誤はないよね
どちらもきっと
雨だから
雨に
なるから
つちに濡れたほこりも
ほこりに濡れた
つちも
同じにおいの
雨だよね
ねえ、レイン
ぼくは
ときどき
不安になるけど
不安もときどき
ぼくになる
きみは
そういうことを
言いたいんだろ
それとも
聞いていたいのか
ねえ、レイン
降りやみそうな
雨に
わかれをいうのも
わかれを惜しむのも
明暗はないよね
どちらも雨に
ちがいないから
雨に
なるから
2008/10/31 (Fri)