詩人:.s
目隠しをしたまま夜道を歩く事は凄く怖い
恐怖で足がすくみ
歩み出す事すら困難だ
その見えない道を人生だとするならば
その道のスタートに立つのは自分自身
その後ろに立ち背中を押してくれるのはおそらく友であろう
歩み出した後
恐怖で足が止まりそうになる
そんな時
隣で手をとり一緒に歩いてくれる人
それが恋人だろう
その手は歩く道のりが進むにつれて色々と変わっていくだろう
掌が固くゴツゴツした手
柔らかくでゆっくり合わせてくれる手
細く所々かたく少々強引に引っ張って行く手
大きくて自分が傷付く事もいとわず守ってくれる手
終着点に着くまでに沢山の手に触れる事だろう
共に暗闇の中を歩き
苦しみを分け合い
一緒に笑って
抱き合って泣く
そうやって進んで来た道の先に
家族と言う光を手にする事でしょう
繋いだ手と手
切れる事ない絆を結び
新たな家族は増えていき
道を進む
進んで行くうちにどんどん手が離れていく
でも
辛くはない
怖くはない
ただ少し心配なだけ
って言い訳しながら
また2人で歩き出す
暗闇の終着点
闇も慣れると光を感じるようになる
2人なら尚更明るい
暗闇の終着点
光の生まれる場所
初めてそこで目隠しを外そう
そして2人で
お互い老けたなって笑い合う
どっちが先かはわからない
必ず最後は独り
これはしょうがない事
受け入れ難い事実
独りになって手を繋ぐ相手が居なくなった時
相手を想い
両手を合わせる
進まなければ光は見えず
暗闇に佇むのみ
転んでいい
ケガしていい
汚れたってかまいやしない
全ては進むための力になる
そう信じて…
僕は今日もよく転んでいる