詩人:千波 一也
十一月の夕風は冷めかけたわたしのうわべをそっと盗み聞きしていく恥ずかしいやら悔しいやらでわたしは思わず追いかける標的は追いかける、というこころの源泉なので身震いとともにゆったりとわたしは追いかけ歩きつづける寒い季節には寒々しいことばがはやされつつもねがいの域を出ないもの吐息がそれを物語るほんとの冬は火のなかでだれかの嘘を待っているぱちぱちぱちと喜んで