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[134027] 火のみそぎ

詩人:千波 一也


十一月の夕風は

冷めかけたわたしの

うわべを

そっと


盗み聞きしていく




恥ずかしいやら

悔しいやらで

わたしは

思わず


追いかける



標的は

追いかける、という

こころの源泉

なので


身震いとともに

ゆったりと


わたしは追いかけ

歩きつづける




寒い季節には

寒々しいことばが

はやされつつも


ねがいの域を

出ないもの


吐息がそれを

物語る




ほんとの冬は火のなかで

だれかの嘘を

待っている


ぱちぱち

ぱち




喜んで


2008/11/05 (Wed)
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