詩人:ふくざわゆいと
「泣いてはいけない
あなたは男の子でしょう
お兄ちゃんでしょう
だから 泣いてはいけないの」
…
幼い頃から イヤだった
痛くて 苦しくて 泣いているのに
どうして許されないのだろう…
ボクが感じている痛み そのものを
どうして 分かっているかのように
決めつけてしまうのだろう…
…
「アナタハオトコノコダカラ
オニイチャンダカラ
ナイチャダメ
ナイテハイケナイ」
…
ねぇ
どこまでゆけば 泣いてもいいの…?
弟や妹のために
手本として作られていく像
違う これはホントの自分ではない
ホントのボクは 泣いてしまいたかった…
だけど それは許されなくて
幼いボクは ただの言いなりで
作られた「自分」を演じていただけ
ねぇ
いつになれば 泣いてもいいの…?