詩人:どるとる
ひとりぼっち 夕暮れ
不意になんとなく
口をとがらせて吹いていた 口笛
曲はでたらめ
切なさの雰囲気が
ほら 揃い踏み
僕は涙を流す
涙を流すのに理由はつきものだけれど
今はただ 切なさに理由も意味もにじんでどうでもよくなってしまう 明日も右に同じ
口笛が 胸に 染み渡り約束の時刻がくれば鳴り響く おきまりのチャイム
胸を焦がしてゆく
ああ、思いが一気にあふれたんだ
涙は止まらない
もろに僕を突き刺す
切なさ
夕闇よ待ってくれ
まだもう少し
この夕暮れを
見ていたいんだよ
聞き入れてくれるわけもないが願ってみた
ああ、僕はひとりぼっちだから気が楽だよ
だけれどいつも思う
ひとりぼっちはひとりぼっちで楽は楽だ
だけれど 切なさは誰にでも変わらず切ないもんだ
だから 傷つきやすい僕の心をむやみやたら傷つけないでね
僕はこぼした
手のひらに そっと浮かべた言の葉
ふーっと息を吹きかけ 飛ばした 空へ
そんな幻 なぜか今日はあざやかにうつる
口笛を吹くたび 思い出す 優しいあの人
ただの愛の歌じゃつまらないから
君は黙ってて
今はひとりぼっちがいい
センチメンタルな気持ちになって どこまでもひとりよがりな世界に沈みたいんだ
それくらい許せ
カラスが二、三度鳴いて僕を小馬鹿にする
口笛が 胸に 染み渡り約束の時刻がくれば鳴り響く おきまりのチャイム
胸を焦がしてゆく
ああ、思いが一気にあふれたんだ
涙は止まらない
もろに僕を突き刺す
切なさ
ありふれたことだ
だけれどそれだけに悲しいのさ
わかるかな?わかるかな?
口笛センチメンタル
男のロマンっていえば言い過ぎだけれど
そんな感じだ
少しはわかってほしいのさ 君には
たまらず アドレス帳から君の番号を選び通話ボタンを押す
僕の気持ちとは裏腹に綺麗な夜だな。