詩人:千波 一也
そっと胸の内にあるものは
わたしの外だ、と
わたしはおもう
はるか
空の高さを
見上げることと
なんら変わりない
わたしはここだ、と言葉を放れば
わたしの手立ては
残る以外にない
ここに
わたしとして
残る以外にない
わたしのなかの
願いやうそや隠しごと
それらに触れることをせず
届いたそぶりを続けることは
かなしい距離だけ
つのらせる
けれど
ひかりや熱やまぶしさに
届かなくても手をのばすなら
それらはきっと
触れていることになる
かなしい距離には違いなくても
追うにふさわしい
道となる
わたしがわたしに
閉じられてしまうものならば
見つめてゆくよりほかはないから
信じることが、太陽
わたしの外へ
あかるさを放て
わたしの外よ
あかるさを待て