詩人:羅憂里
寂しくなんかないよ と 涙を流しながら 呟いた 独りぼっちの部屋で 笑った
手に持った何かのイメージで 自分を真っ向から貫いた 力なく倒れこんで 笑った
静かな音を聴いて 耳を強く塞いで 五月蝿い五月蝿いと叫んだ 無音空間に吸い込まれるだけの自分の声を聞いて 笑った
誰かを思い出そうとして 記憶が空っぽなのに気付いた 自分の名を宙に書いて 嬉しくて 笑った
でたらめな歌を口ずさんで 何が何だかわからなくなった 怖くなって 笑った
疲れて 寒くなって 涙は乾いて 意識が飛ぶ寸前に 何かが見えた たくさんの 人がいた 騒がしい声が 聴こえた 無性に滑稽に思えて 目を閉じて 笑った