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千波 一也の部屋  〜 「川」への投 票 〜

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詩人:千波 一也


空へと続く

いくつかの道すじがあり、

それらはやがて

空を流れて

空になる



 それゆえ

 空への道すじを

 川と呼んでもよかろうか



しずくはどれも

はじめは少し冷たくて

次第に

おおきく

とけてゆく



 果たしてそれが、

 その

 意味が

 哀しみなのかはわからない

 歓びなのかもわからない


 それはただ

 とどまることなく

 ほどけてみせる



空へと続く

いくつかの道すじがあり、

わたしは時々

そこをのぼって居たり

そこをおもって

ここに居たり

する



 それゆえ

 空への道すじが

 終わることなどあり得ない


 そうしていつも

 川を聴く



川はただ、

川を流れて

川になる


いともたやすく

沁みてくる



2009/05/20 (Wed)
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