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[142781] ションシー ケッチセ

詩人:良い席

紙とも言えぬ様な得体の知れない紙があります。
その紙には沢山の墨汁の様な黒い点々があります。
それはぴょんこぴょんこと跳ね回っており、墨の跡だけが置いてけぼりにされています。
そんな事を永遠にやっているわけですから、もう紙は真っ黒になっているんじゃないかと思いますが、どういうわけか、ちゃんと黒い点々の墨みたいな跡がついているのに、真っ白の様な透明感があります。
揺れ動き、後ろに消え去っていく車窓からの風景の戸々、木々、電柱までも皆、その紙とリンクしているのです。
その時紙は只の平面では無く、縦に横にも縦横無尽にくるくる回っている風です。
紙ににょきっと小さい塔の様なものが建ちますが、実は今建ったのではなくもとから建っていたようにも思えます。
すると塔の先端から拡散したり、輪を作ったり、太陽の様に燃えだしたりします。
この紙は一つでは無いようです。沢山の紙の中の一つでしたが、実はこの沢山の紙の集合体は、もっと大きな紙の一つの黒い墨みたいな点でした。
その紙も、さらにそうかもしれませんが、そこまでは分かりません。

2009/04/27 (Mon)
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