詩人:ギョロ
手のひらサイズのケータイが 僕らの距離を錯覚させる小さく冷たいケータイが まるで君の手のようだからピンク色の絵文字が 毎日毎日液晶にうつしだされるものだから手を伸ばせば触れられるような まるでそんな距離から声がするもんだからだからそんな調子で 僕らの距離は狂いだす二人を繋ぐはずのケータイが唯一の君の気配が触れ合う感覚を忘れさせ 互いの顔もわすれさせそれでもデートした気分にさせてしまうそして僕らは距離を錯覚していく