詩人:遥 カズナ
私の後ろで
凧の糸巻きを握る貴方を
日射しの眩しさにかまいもせずに ただ空を見上げ
振り返れなかったのは
照れ臭さだったのかもしれません…
文具店で500円で購入したそれは
大空と公園をつなぎ
バサバサと自由をなびかせていました
現実に貴方の握る糸巻と 私等うわの空の凧との間で
今も過去も
私の迷いは
糸を掴み それをたどり
凧と貴方との間を
行ったり来たりしています
けれど…
後悔は許されません
『自由とは糸の切れた凧ではありません』
この苦しみを無限に謳歌せねば
あの時 糸を断ち切り貴方を残し報いは
癒しきれません