詩人:そほと
冷たい布団が温まったら指相撲がしたくなったぴこぴこ動かしてみるが一人相撲だな 思い出せば一日が井戸の水汲みで始まる生活にかつて鍛えられた母さんの指は強靭でしなやかで押さえ込まれたぼくの親指はピクリとも動けず他の手足がジタバタジタバタ中学生の頃にはもう勝てたはずなんだ父さんよりケンカは強かったんだから 冷たい布団が温まったらゆびずもうがしたくなったよ母さんに一度だけ勝っといてあげればよかった