詩人:白茹たま
この世界の主人公が
僕なんじゃないかって
時々思いたくなるけど
そんなのは違ったんだって
ようやく気づいた
思えば
僕は何もしていないじゃないか
世界を救うヒーローでもなけりゃ
世界征服を狙う悪の組織でもない
非日常を生きるものでもなけりゃ
金持ちの坊ちゃんでもない
脇役なんて呼ばれればいいとこだろう
僕なんて
せいぜいエキストラだろう
下手したら画面にも移らない
"地球にいる人間"の一部として
人数に加算されるだけかもしれない
それなのに どうして
僕は自分を主人公だと思えたのだろう
無邪気だったあの頃のぼくは
残酷な現実に気づけなかった
この世界の主人公は 僕じゃない