ホーム > 詩人の部屋 > 千波 一也の部屋 > ぼくたちの空 > 投票

千波 一也の部屋  〜 「ぼくたちの空」への投 票 〜

  • 千波 一也さんの「ぼくたちの空」に投票します。
  • 不正防止のため投票は「詩人の部屋」の登録者のみに制限させて頂いています。
  • ユーザーIDとパスワードを入力して「投票する」をクリックしてください。

[144811] ぼくたちの空

詩人:千波 一也


空へと放った愛の言葉は

今ごろどこにいるだろう


雨の向こう側から

しずくのひとつを

ふと、思う




空から盗んだあの日の苦みが

髪と夢から香るとき

海はきまって

凪いでいる


鏡のように

青みを満たして




ぼくたちは

空から生まれてきたけれど

たやすくそこへは帰れない


それゆえ

空を歌うんだ


ぼくたちの一部は空であり

ぼくたちの所有とはならないのが空であり

ぼくたちの全ては空であり

ぼくたちの道具とはならないのが空であり

もしかしたら、

歌っているのは

空かもしれない


おそらく空が

歌うんだ




ぼくたちの空は

どこにもない


そういうことを

ぼくたちはおくり続けている

いや、迎え続けている


その

どちらが

正しかったかを

ぼくたちは空からいつも聴いていて

そのたび自由に

流される


2009/06/18 (Thu)
ユーザーID パスワード
一言コメント  


- 詩人の部屋 -