詩人:トケルネコ
記憶にレイプされ産まれるのが双子なら
今日その舌のピアスが喉仏を撫でた
無事クスリと煮詰まって薔薇の葉につく乳液
塵は塵に星の隙間に詰め込んで、灰は月と割ってみよう
その唐辛子のようなキス
アタマすり減ったイモムシを悦ばせる
背をむけ叫ぶ
幹から吸い出すジェル
スカンジナビアから夜は産まれた
傷ついたようなキス
カラダ身悶えして求める羽
俺は俺に灰を詰め込んで、君は日々に何を詰め込んで……
そしてクスリと笑うことすら死を招く
欲張らない奴らの孤独
欲張らない言葉の空虚
空は水面にただ零れ弁明するだけなら
文字通り土に還る虫ケラ
羽はもがれ、盾は砕かれ、栄光の剣もなく、なにもかも
ただ剥がれ証明されるだけの命
心地よい転落