詩人:高級スプーン似
はるか彼方から
幾星霜を経て
ぼく宛に届いた
プレゼント
差出人は運命
頼んでもいないのに
いつもあれこれ
送りつけてくる
困った奴だ
今度はなんだろう
そう思いながら
おそるおそる
出会ってみる
すると
其処にいたのは
きみだった
生まれた時から
感じていたこと
一人じゃ何か
足りない気がして
いつも“何か”を
探してた
息をする度
催す不安
助けてほしいと
願ったけれど
どこにも届かず
誰からも
返事はなかった
心にしまった
ぼくの気持ち
震える胸に
両手を乗せて
ひとり寂しく
苦しみと戦った
それから
幾年月を経て
現れたのは
きみだった
誰にも
届かなかったのに
優しく笑う
きみの手が
ぼくの心に
静かに触れる
“何か”は
何かじゃなくなって
温もりに変わる
求めていたのは
きみだった
贈り主は運命
でも
選んだのは
ぼく自身
幾星霜を経て
出会えた幸せ
大切にしよう
宛先は奇跡
「ありがとう」
感謝を込めて
きみに贈る
プレゼント
喜んでくれるといいな
照れながら書く
PS.
「大好きやで」