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詩人:どるとる
何事もなく今日も終わりだな
長かった1日もこれをもちまして閉幕と相成る
なんだか年がいもなく気取ってみたくなる 夕暮れ、目を閉じた窓辺
かれこれ数時間前の出来事なのにもう昔話の面
開け放した窓の向こう側に広がる景色がまだ今日は終わりじゃないよって顔をしてる 目を潤ませたイメージ抱かせる
ゆうやけこやけでまた明日 ほらいい子はもう帰る時間だよ
なんだか五時のチャイムが鳴ったら帰らなきゃいけない
そんな衝動に駆られるから 僕ももうやることもないし帰るよ
誰もいなくなった近所の公園には風に揺れるブランコの音と明日また遊ぶためなのか誰かが置いていったバケツとスコップ
途中で迎えが来て作りかけのままの砂のお城
夕暮れ時ってなんでこんなに切なくなるのかな
口笛を吹き鳴らして
君の帰りを待つ誰かがほら ただいまを待っている
それが君の愛する人か
大切に思う人か
それはわからないけれどずっと君を待っている
それだけは確かだからゆっくり帰っておいで
夜があたりを暗闇でのみこむ前に
君のただいまを聞きたいんだ 今日もそう思う僕がいて どこかでそう思う僕と同じように誰かの帰りを待つ人がいる
ゆうやけこやでカラスも巣へと帰る
カラスが鳴くから
そんなありふれた
理由でもいいから
今日も帰ろうよ
大好きなあの人の待つ場所へ
僕にしか届けられないただいまを届けにドアを開ける
ほら 待っていたよって微笑む人がいた
イメージ通りの…
いやそれ以上の喜びようが僕を包んだ
ゆうやけこやけで帰ったら
このまま日は暮れ
今日も終わるけれど
また明日もこの切ない喜び 感じれるってことでご愛嬌ね
さあ あふれんばかりの湯船に冷えた足から肩を沈めよう
熱く 感じるのは寒い外に長い間いたからね
例えばそんな会話が今、何より大切だと気づいたよ
かけがえのない幸せが目を醒ました。