詩人:千波 一也
じぶんの顔を
真正面から
見ることは
じぶんをやめなきゃ
叶わない
けど
鏡をのぞけば
それなりに
じぶんの顔を
知った気に
なる
ほんとは全然
叶ってなんかいないのに
なんとなく
叶った気がする
そういう
こまかいことを
気にして
気にして
答はどこだ、と
絶叫して
病んでしまうような
じぶんでなくて
ほんとに
良かった
と、
ぽりぽり
ぼくは顔をかく
顔は
全然見えないけれど
たとえばこの指なんかは
まったく見えるし
まったく自由に
動くから
ぼくは
ぽりぽり
顔をかく
いかにも
平和に
鏡の前で
2009/09/14 (Mon)