詩人:ふくざわゆいと
アルミの機体 木製の翼
散る桜が 戻らないように
パイロットは 二度と
生きて帰ることはない
人の命を部品にして
特攻のために作られた ロケット
それは 太平洋戦争末期
日本の生んだ 死の桜だった
いったい どんな想いで
出撃の朝を 迎えていたのか
どんな気持ちで 鳴りやまない
蝉の声を 聴いていたのか
どんな覚悟で 滑走路を駆け
この空へと飛んでいったのか
すべては 愛する人を守るため…
66年経った 今でも
この空は 変わらず青く
そして その下で
私たちは 生きています
あなた方のおかげで
今の私たちがいます