詩人:ゆなぎ
確か、あの時、痛かった気がした。
心がギシギシと、音を立てた気がした。
歪んだ顔を 取り繕って
何にもなかったように笑って
「平気だよ」 っていってみたら
心が空っぽになった 気がした。
繰り返して くりかえして
何となく痛みに慣れて
「平気だな」 って思い出したら
SOSが 出せなくなった。
本当はね、気がしたんじゃなくて
痛くて 痛くて 泣きたくて
平気なんかじゃ、なかったよ。
助けてって言いたくて 言えなくて
聞いて欲しくて 聞いて欲しくなくて
今のキミは、あの時のボクと同じ顔をしてるよ。
だからさ、助けてって言えないキミを
おせっかいだけど抱きしめるんだ
泣くのが下手くそで 涙を見せたがらないキミを
抱きしめたら 顔が見えないでしょ?って
言いくるめて 強く抱きしめるんだ。