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詩人:ナナエ
ねぇ
あの日君はたくさんの平和な港に打ち寄せて
一瞬で全てをさらっていったけど
あれはどうしてだったんだい?
あの日を境に
君にはたくさんの毒が撒かれたわけだけども
君はなんて心が広いのか
あっという間に拡散して
今では魚も食べられるさ
人にとっては毒になる量でも
君にとっては存在しないも同然なんだろう
なんて偉大で寛大なんだ
だからつけ込まれるんだよ
愚かで狡猾な僕たちに
70億人の僕たちが
一斉に海水浴を楽しんでも
きっと砂浜ひとつ
浸かりはしないだろうね
君の大きさは途方もない
大自然とは畏れ多く
僕はあの日から
頭を深々と垂れて
君の恩恵にすがりつくふりをしながら
頭を深々と垂れて
命乞いをするようになった
ねぇ
君はこれで満足か?
これで満足したのか?