詩人:柚
残された記憶の面影に
どこか取り残された感じのする
十字路の真ん中
何人もの知らない人が行き交う中で
自分の世界の狭さを知った
ただすれ違うだけの人に
もしかしたらあの隣にいたかもしれないという
妙な期待が
胸の中の涙をあふれさせようとする
後悔という逃げ道に
なぜこんなにも甘えているのだろう
自分はいつこんなにも弱くなった
知ってるさ
それは
本当に本当にずっと前
ずっと ずっと前
最初からだった
気付かないフリを
していたんだよ
認めたくなかったところが
今 大きくなりすぎた
そばにいてほしいものと
求めているものが違ったように
すべての世界が交差する
一度ぐらい
あの人のもとで泣いてしまおうか