詩人:高級スプーン
浮かぶ光を
貧るように
見続ける
無表情の山羊は
足元に
必死に縋り付く羊を
蹴り殺せば
少しは安らぐのでしょうか
過去も
イマも未来も全部
同じように
感じられればいいのに
悲痛な叫びも
苦しい矛盾も
一気に流れ込むせいで
心がパンクして
もみ消してしまえるから
個性など要らない
対称的な存在を否定して
誰以上でも
誰以下でもない
人でしかない
人になろう
開けられない
部屋のドアの前で
邪な気持ち抱えたまま
後悔する一歩手前で
僕はまた
浮かぶ光から
己を逸らせずに
必死で我慢する
音の無い世界で
2005/01/09 (Sun)