詩人:千波 一也
ひかり、ってものに
形はないはず
だが
あかり取り、なんて
名のつく窓が
あるわけで
つい
つい
形を
みてしまう
そこには無いけれど
確かに、
無いけれど
あかりの姿が
みえてしまう
これは
とんでもなく
おそろしいことの
はず
なのに
おれたちは
間違ってなんかいない、と
自信をもって
間違えられる
あかり取りの窓さんよ、
よろこびってのは
そういうもん
だよな
悪く
ない
よな
あたたかい、
よな
闇、ってものにも
形はないはず
だが
おれらは
眠りにつく前に
そらの
窓から
闇を
みる
闇の形、と
呼びうるものに
せなかを
向けて
寝息を
立てる
あしたも続く
よろこびのため
よろこびのなか
負けないように
すすむ
ため