詩人:甘味亭 真朱麻呂
やりたくもない仕事に時間を奪われて
本当にやりたいこともできないままで
予報通り天気は雨
町に傘の花が咲き乱れる
駅の改札口
切符を入れて抜ける
遠く街頭が儚く揺れて
切なさこみ上げる
明日も明後日もきっと同じように
僕は繰り返すだろう
追いかけてきた夢
立ち止まった瞬間
遠く離れて見失ったよ
土砂降りの雨の中
ずぶ濡れになって
僕は空を見上げ
言葉にならない想いを
そっと雨と一緒に流すよ
抑えきれない涙
胸を熱くする
僕にしかわからない愛した人
今僕は空を見上げながら
独り想い出すよ
傘を開いて
その場を去る。